医師は引退後いくら年金を貰える?勤務医の年金を計算してみた

資産形成

「引退したら年金でどのくらい貰えるんだろう?」——前回の出口戦略記事(4%ルール)を書きながら、自分でも気になって計算してみた。結論から言うと、正直かなりキツい。

現役医師の多くは、自分がいくら年金を貰えるか把握していない。高収入だから「まあそれなりに貰えるでしょ」と思いがちだが、実態はかなり異なる。この記事で一緒に確認していこう。

📋 この記事でわかること

  • 公的年金の仕組み(国民年金・厚生年金)を簡単におさらい
  • 一般的な勤務医の年金受給額の試算(計算式付き)
  • 「高収入でも年金は意外と少ない」理由
  • 現役時代の生活費と比べたときの現実
  • 年金だけでは足りない分をどう備えるか

公的年金の仕組みをおさらい

日本の公的年金は2階建て構造だ。

  • 1階:国民年金(基礎年金):20〜60歳の40年間加入で満額。2025年度の満額は月約68,000円(年816,000円)。医師も会社員も同じ金額。
  • 2階:厚生年金:会社員・勤務医が加入。現役時代の収入(標準報酬月額)と加入期間に応じて受給額が変わる。

勤務医は研修医から定年まで厚生年金に加入し続けることが多いため、基礎年金+厚生年金の両方を受け取れる。

厚生年金の計算方法

厚生年金の受給額(報酬比例部分)は以下の式で計算できる。

厚生年金(報酬比例部分)= 平均標準報酬月額 × 5.481‰ × 加入月数

ここで重要なのが「標準報酬月額には上限がある」という事実だ。2025年現在、標準報酬月額の上限は月65万円。年収に換算すると約780万円相当だ。

つまり、年収1,500万円の医師も年収2,500万円の医師も、厚生年金の計算上は「月65万円」で頭打ちになる。高収入であることが年金額に直結しない——これが最大の盲点だ。

勤務医の年金受給額を試算する

典型的な勤務医のケースで計算してみよう。

ケース①:標準的な勤務医(35年勤務)

  • 研修医〜専門医取得後の平均を考慮し、平均標準報酬月額を55万円と仮定
  • 勤務期間:27歳〜65歳の38年間(456ヶ月)
項目 月額 年額
国民年金(基礎年金・満額) 約68,000円 約816,000円
厚生年金(報酬比例部分)
55万円 × 5.481‰ × 456ヶ月
約138,000円 約1,653,000円
合計 約206,000円 約247万円

ケース②:上限張り付きの高収入勤務医(40年勤務)

  • 標準報酬月額を上限の65万円で計算
  • 勤務期間:25歳〜65歳の40年間(480ヶ月)
項目 月額 年額
国民年金(基礎年金・満額) 約68,000円 約816,000円
厚生年金(報酬比例部分)
65万円 × 5.481‰ × 480ヶ月
約171,000円 約2,050,000円
合計 約239,000円 約287万円

⚠️ 現実のまとめ:勤務医の年金は月20〜24万円程度が上限

年収2,000万円以上稼いでいても、年収700万円の人と年金はほぼ変わらない。これが日本の厚生年金の設計だ。

現役時代の生活費と比べると?

現役の勤務医(年収1,500万円)の手取りは月70〜80万円程度。そこから引退後の年金月20〜24万円と比べると……。

現役時(手取り) 引退後(年金) 差額
月収入 約70〜80万円 約20〜24万円 ▲50万円以上

現役時代と同じ生活水準を維持しようとすると、月30〜50万円以上の「年金以外の収入源」が必要になる計算だ。これが前回の記事で書いた「4%ルールによる取り崩し」が必要になる本質的な理由だ。

iDeCoで上乗せできる分は?

勤務医がiDeCoを月12,000円・35年間・年率5%で運用した場合の試算:

  • 積立総額:12,000円 × 12ヶ月 × 35年 = 504万円
  • 運用後の資産(年率5%):約1,148万円
  • 70歳まで10年間で取り崩した場合:月約9.6万円の上乗せ

iDeCoだけでは焼け石に水だとわかる。だからこそNISAを使った長期積立が重要になる。

次回予告:医師の老後、いったいいくらかかるのか?

年金月20万円という現実がわかった。では、医師の引退後の生活費はいったいいくら必要なのか?

「現役時代と同じ生活を送る場合」「生活をコンパクトにした場合」「医療費・介護費が増えた場合」——ケース別に医師の老後生活費を試算していく。4%ルールと組み合わせた「目標資産額の逆算」まで一気に解説する予定だ。

📖 次回記事:医師の老後の生活費はいくら?【ケース別シミュレーション&目標資産額の逆算】

まとめ:勤務医の年金額を把握し、老後資金の準備を始めよう

  1. 勤務医の年金は月20〜24万円が現実的な上限(国民年金+厚生年金)
  2. 標準報酬月額に上限(65万円)があるため、高収入でも年金は増えない
  3. 現役時代との収入差は月50万円以上になる可能性がある
  4. iDeCoだけでは不十分。NISAを使った長期積立が不可欠
  5. 年金以外の「4%取り崩し資産」をいくら用意すべきかは次回詳しく計算する

「自分の年金額を正確に把握したい」「老後の資産設計を一度プロと整理したい」という方には、FP無料相談の活用をおすすめする。

💬 老後の収入・資産設計をFPに無料相談

マネイロは完全無料でFP相談ができるサービス。「年金はいくら貰える?」「あといくら積み立てれば足りる?」をプロと一緒に試算できる。

マネイロ

コメント

タイトルとURLをコピーしました
X(旧Twitter)をフォロー @DrGOLF276614