「iDeCoは節税になる」とよく聞きますが、本当のインパクトは複利で20年・30年積み上がったときに見えてきます。
勤務医の月2.3万円のiDeCoが、20年後には約310万円、30年後には約487万円の差を生む——これが事実です。本記事ではその試算根拠と、医師がiDeCoを始める具体的な手順、運用商品の選び方までを脳神経外科医MBAの視点でまとめます。
iDeCoの節税効果はいくらか(前提条件)
勤務医のiDeCo掛金上限は月2.3万円(年27.6万円)。年収1,200万円前後の所得税率は33%、住民税10%を合わせると実効税率は約43%です。
計算式:年間掛金27.6万円 × 実効税率43% = 年間節税額 約11.9万円
さらにiDeCoは運用益も非課税。通常の課税口座なら運用益に20.315%が課税されますが、iDeCo内なら0%。運用益非課税効果を含めると年間換算で17万円以上の差になります。
※ 単年の節税額に注目するなら 医師がiDeCo+小規模企業共済を併用すれば年165万円控除 も合わせてどうぞ。組み合わせ次第で控除枠は一気に広がります。
20年で310万円の差が生まれる理由(複利シミュレーション)
節税効果を複利で積み上げると、20年でどうなるか。年利4%・掛金月2.3万円で試算しました。
| 年数 | 節税累計(税率43%) | 運用益非課税効果 | 合計差額 |
|---|---|---|---|
| 10年 | 約119万円 | 約40万円 | 約159万円 |
| 20年 | 約238万円 | 約72万円 | 約310万円 |
| 30年 | 約357万円 | 約130万円 | 約487万円 |
※ 実際の税率・運用成績により変動します。
30年続ければ約487万円の差。これをやらない理由は、よほど特殊な事情がない限り見当たりません。
「退職金が多い医師はiDeCoが不利」は本当か
よく聞く反論があります。「iDeCoの受取時に退職所得控除が使えなくなるから、退職金の多い医師には不利」というものです。
これは2024年以前のルールでは一部正しかったですが、現在は退職所得控除の5年・10年ルール(iDeCoと退職金を別々に受け取ることで控除を二重に使える)を活用することで多くのケースで問題になりません。
また、開業医・フリーランス医師・大学病院の医師では退職金が少ないケースも多く、iDeCoの節税メリットが大きく上回るケースがほとんどです。
心配な場合は、iDeCo受取時の出口戦略(一時金 vs 年金)を事前に確認しておけば問題ありません。
医師がiDeCoを始める前に確認すること
① 勤務先が企業型DCに加入していないか確認
大学病院や大病院グループによっては、企業型確定拠出年金(DC)に加入している場合があります。この場合、iDeCoとの併用には条件があります(多くは併用可能になりましたが要確認)。
② 掛金の上限を確認
勤務医(会社員扱い)の場合、iDeCoの掛金上限は月2.3万円(年27.6万円)。開業医・個人事業主の場合は月6.8万円まで拠出できます(国民年金基金との合算上限)。
③ 証券会社の選択
手数料が低く、インデックスファンドのラインナップが豊富な証券会社を選ぶことが最重要です。運営管理手数料が無料の松井証券・SBI証券・楽天証券のいずれかを選ぶのが王道。
iDeCoの始め方【手順】
- 証券会社を選ぶ(松井証券・SBI証券・楽天証券のいずれか)
- iDeCo口座開設の申込書を請求(オンライン申請可)
- 勤務先に「事業主証明書」の記入を依頼
- 必要書類(基礎年金番号がわかるもの)を準備して提出
- 口座開設完了後、掛金と運用商品を設定
一番のハードルは「事業主証明書」の記入依頼です。総務・経理部門にお願いすれば対応してもらえます。「iDeCoを始めたいのですが」と伝えるだけでOK。書類は証券会社から届きます。
運用商品は何を選ぶか
iDeCo内の運用商品はインデックスファンド一択です。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):全世界に分散投資、信託報酬0.05775%
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):米国集中投資、信託報酬0.09372%
アクティブファンドや元本保証型商品は手数料が高く、長期では不利です。iDeCoは60歳まで引き出せない「強制的な長期投資」なので、インデックスファンドの複利効果を最大限活かす設計にしましょう。
松井証券でiDeCoを始めよう
iDeCoを始めるなら、運営管理手数料が無料で使いやすい松井証券がおすすめです。低コストインデックスファンドのラインナップも揃っており、医師の節税・複利戦略に最大限活用できます。
まとめ|今日始めることが最大のリターン
iDeCoは「始めた日が一番遅い」投資です。1年先延ばしにするだけで、節税分だけで約12万円を捨てることになります。
- 勤務医の節税額:年間約12〜17万円
- 20年の差:約310万円
- 30年の差:約487万円
- 手続きの手間:2〜3時間(一度だけ)
脳外科医として断言します。iDeCoは高収入の医師ほど効果が大きい制度です。今日、証券会社のサイトを開いてください。
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