「ゴルフって運動になってるの?」——正直に言います。ちゃんとやれば、かなりなります。
脳外科医として代謝・運動生理学のエビデンスをもとに、18ホールを歩いたときの消費カロリーを医学的に計算しました。「ゴルフカートに乗るか、歩くか」の差も含めて解説します。
📋 この記事でわかること
- 18ホール歩いたときの消費カロリーの計算方法
- 体重・性別・体力別の消費カロリー目安
- カートで回った場合との差
- ゴルフをダイエットに活かすための具体的な工夫
- 脳外科医が実感したゴルフの健康効果
18ホール歩くと何km歩くのか
まず距離から整理します。
一般的なゴルフコース18ホールの総距離は、ミドルクラス(パー72)で6,000〜6,500ヤード(約5.5〜6km)。しかしこれはボールの飛んだ距離の合計であり、実際に歩く距離ではありません。
フェアウェイを直線で歩くわけではなく、ティーイングエリアへの移動、グリーン周辺の往復、ボール探し、クラブハウスとの行き来——これらを含めると、実際の歩行距離は10〜14km程度になります。
歩数に換算すると14,000〜18,000歩。厚生労働省が推奨する1日1万歩を軽く超えます。
18ホール歩いたときの消費カロリー計算
消費カロリーはMETs(代謝当量)を使って計算できます。
ゴルフ(歩いてラウンド)のMETs値は4.3〜4.8(アメリカスポーツ医学会データ)。これは「やや速めのウォーキング」と同程度の強度です。
計算式:消費カロリー(kcal)= METs × 体重(kg)× 時間(h)× 1.05
18ホールのラウンド時間は平均4〜4.5時間として計算します。
体重別・消費カロリー早見表(18ホール歩きラウンド・4時間)
| 体重 | 消費カロリー目安 | ご飯何杯分 |
|---|---|---|
| 60kg | 約1,080 kcal | 約3杯分 |
| 70kg | 約1,260 kcal | 約3.5杯分 |
| 80kg | 約1,440 kcal | 約4杯分 |
| 90kg | 約1,620 kcal | 約4.5杯分 |
体重70kgの人が18ホール歩けば、約1,200〜1,300kcalを消費する計算です。これはジョギング1時間(約600kcal)の2倍以上。
カートで回った場合との差はどれくらい?
多くのゴルフ場ではカートでの移動が基本になっています。カートを使った場合の消費カロリーはどう変わるのでしょうか。
カート使用時のMETs値は3.0〜3.5程度(ショットの動作・グリーン上の歩行は含む)。
| ラウンド方法 | 消費カロリー目安(体重70kg・4時間) |
|---|---|
| 全ホール歩き | 約1,260 kcal |
| カート使用(フェアウェイのみ歩き) | 約900 kcal |
| カートのみ(ほぼ乗りっぱなし) | 約630 kcal |
歩きとカートのみでは約630kcalの差があります。これはラーメン1杯分(約500〜700kcal)に相当します。
日本のゴルフ場はカート移動が主流ですが、「フェアウェイは歩く」選択をするだけで消費カロリーが大きく変わります。
ゴルフがダイエットに向いている医学的な理由
脳外科医として、ゴルフの健康効果を3つの観点から説明します。
① 脂肪燃焼に最適な運動強度
脂肪が最もよく燃焼されるのは、最大心拍数の60〜70%の運動強度です(有酸素運動ゾーン)。
ゴルフのラウンド中の平均心拍数は、40代男性で110〜130拍/分程度。これはちょうど脂肪燃焼ゾーンに入ります。激しすぎず、緩すぎない——ゴルフは「理想の脂肪燃焼運動」です。
② 4〜5時間の継続的な活動
ダイエット効果を高めるには「長時間・低強度」の有酸素運動が有効です。ゴルフは1ラウンドで4〜5時間、継続的に体を動かします。途中でやめることができない(コース上にいる)という強制力も、継続のしやすさに貢献します。
③ 筋力への適度な負荷
スイングは体幹・臀部・大腿四頭筋・広背筋を使う全身運動です。18ホールで60〜80スイング。これに加えて10km以上の歩行は、有酸素運動と筋力維持を同時に行う複合トレーニングです。
特に50代以上の方にとって、過度な衝撃がなく(関節への負担が少ない)、長時間継続できるゴルフは理想的な運動と言えます。
「ゴルフで痩せない」人がやっていること
「ゴルフしているのに体重が減らない」という声もよく聞きます。原因は大抵この3つです。
① ハーフターンと食後の補食でカロリーオーバー
18ホールで1,200kcal消費しても、ハーフターンのラーメン(500kcal)+ビール2杯(350kcal)+クラブハウスでの夕食(700kcal)=1,550kcalを摂れば、むしろカロリーオーバーです。
ゴルフ後に「頑張ったから食べていい」と感じるのは自然な心理ですが、これがダイエット効果を打ち消します。
② カートに乗りっぱなし
カートに乗ったまま移動し、自分のボールの近くだけで降りるスタイルだと、歩行距離が大幅に減ります。消費カロリーも半分以下になります。
③ 月1〜2回では効果が出にくい
ゴルフを週1回以上できるなら体重変化が期待できますが、月1〜2回程度だと1回の消費カロリーが大きくても、トータルでの影響は限定的です。月1ゴルフは「健康維持」として考え、ダイエット目的なら別の運動習慣と組み合わせるのが現実的です。
ゴルフをダイエットに最大活用する5つのコツ
- できるだけ歩く(フェアウェイカート乗り入れ可でも、徒歩を選ぶ)
- ハーフターンの食事を軽めにする(おにぎり1個+お茶程度に抑える)
- ラウンド後の食事は「通常量」に戻す(食べすぎない)
- 素振りや練習グリーンを積極的に使う(待ち時間も動く)
- 早歩きを意識する(歩行速度を上げるだけで消費カロリーが10〜15%増える)
脳外科医が実感したゴルフの健康効果
私自身、ゴルフを週1回のペースで続けて3年になります。体重の変化より、むしろ感じるのは体幹の安定感と歩行の持久力です。
手術は長時間立ちっぱなしで行います。以前より長時間の手術でも疲れにくくなった実感があります。これはゴルフの歩行で脚・体幹が鍛えられた効果だと考えています。
ダイエット目的でゴルフを始めても良いですが、続けるうちに「体の使い方が変わる」感覚が出てきます。スコアが良くなることとともに、それがゴルフを続ける大きなモチベーションになります。
まとめ
- 18ホール歩きラウンドで1,000〜1,400kcal消費(体重・ペースによる)
- カートのみと比較すると600kcal以上の差がある
- 脂肪燃焼に最適な心拍数ゾーンで4〜5時間動ける理想的な有酸素運動
- 「消費した分を食べてしまう」落とし穴に注意
- ダイエット目的なら「歩く・食事を控えめに・週1回以上」が基本
ゴルフはスコアだけでなく、健康への投資でもあります。楽しみながら体を動かせる——それがゴルフが長く続けられる理由の一つです。


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