「筋トレしたいけど時間がない」——医師ほどこの言葉が似合う職業はないかもしれません。当直、手術、外来、カンファレンス。自由な時間は限られています。しかし脳外科医の私は、週3回・1回45分のプログラムで、2年間で体脂肪率を22%から14%に落としました。忙しい医師でも実践できる、科学的根拠のある時短筋トレを紹介します。
なぜ医師の筋トレは「時短・高効率」でないといけないか
一般的なボディビルダーの筋トレは週5〜6回、各部位を分けてトレーニングします。しかし医師にそのスケジュールを当てはめることは不可能です。当直の翌日、手術後、緊急呼び出しの可能性——不規則なスケジュールに柔軟に対応できるプログラムが必要です。
そこで有用なのが全身法(フルボディトレーニング)です。1回で全身の主要筋肉を刺激するため、週2〜3回でも十分な筋肥大効果が得られることが研究で示されています。週に1回しかできなかった週も、ゼロではありません。
週3回・45分の基本プログラム
以下が私が実際に2年間継続したプログラムです。ジムがあれば最適ですが、自宅でも代替できる種目を合わせて紹介します。
ウォームアップ(5分)
関節の可動域を広げることが目的。ラジオ体操程度の動的ストレッチで十分です。静的ストレッチはトレーニング前には向きません——筋力が落ちることが分かっています。
メインセッション(35分)
| 種目 | セット×回数 | ターゲット | 自宅代替 |
|---|---|---|---|
| スクワット(バーベルorゴブレット) | 3×10 | 大腿四頭筋・臀筋 | 自重スクワット×20 |
| ベンチプレス(orプッシュアップ) | 3×10 | 大胸筋・三頭筋 | 腕立て伏せ×15 |
| ラットプルダウン(or懸垂) | 3×10 | 広背筋・二頭筋 | 懸垂×5〜8 |
| ダンベルショルダープレス | 3×12 | 三角筋 | 水入りペットボトル |
| デッドリフト(軽重量) | 2×12 | 脊柱起立筋・臀筋 | バックエクステンション |
種目間のインターバルは60〜90秒。長くしすぎると時間がかかり、短すぎると重量が落ちます。スマートウォッチのタイマー機能を使うと便利です。
クールダウン(5分)
静的ストレッチ。特に股関節と胸椎の可動域を重点的に。長時間の手術で固まった部位を緩めることにもなります。
医師が筋トレを続けるための3つの工夫
① 「完璧主義」を捨てる
当直明けで疲れた日は、スクワット1セットだけでも正解です。「やるかゼロか」の思考が継続を妨げます。私は「ジムに行って着替えさえすれば成功」というルールにして、実際に入ったら結局やるという経験を積みました。
② 重量の記録をシンプルに残す
スマートフォンのメモアプリで「スクワット 60kg×10rep」と記録するだけ。数字が増えるのが楽しくなり、習慣化の大きな動機になります。Notionや専用アプリは管理が複雑になりがちで、忙しい医師には向きません。シンプルが一番続きます。
③ タンパク質をトレーニング後30分以内に摂る
運動後は筋肉のタンパク質合成が最も活発な「アナボリックウィンドウ」です。プロテインシェイク(20〜25g)をロッカーに常備しておくと、移動中でも対応できます。食事で補えない分をプロテインで補うのが現実的です。
筋トレが医師の仕事パフォーマンスに与える影響
筋トレを継続して気づいたことがあります。それは手術中の集中力と持久力が明らかに上がったことです。長時間手術では体幹の安定性と集中力が要求されます。体幹を鍛えることで手術中の姿勢が安定し、疲労感が減りました。
また運動はBDNF(脳由来神経栄養因子)の分泌を促し、記憶力・学習能力を向上させます。学会発表の準備期間中も、むしろ筋トレを続けた方が思考がクリアになると感じました。
まとめ|「忙しい」は言い訳にできる——でもしなくていい
週3回45分。これが忙しい医師でも持続可能な最小限の筋トレ投資です。完璧なプログラムを1ヶ月続けるより、シンプルなプログラムを6ヶ月続けた方が圧倒的に結果が出ます。
まず今週、1回だけジムに行ってみてください。続けるかどうかはその後で決めれば十分です。
食事面のサポートについてはPFCバランスで医師が10kg痩せた食事管理法もあわせてご覧ください。


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