月10万円の保険料、本当に必要ですか?医師になった当初、保険の営業担当者にそう言われ、気づけば月に何本もの保険を抱えていた。医師はこの「保険入りすぎ問題」に陥りやすい職業だ。
この記事では医師が本当に必要な保険と不要な保険を整理し、浮いた保険料を資産形成に回す方法を解説する。見直すだけで年96万円が資産形成に回せる——脳外科医の本音を聞いてほしい。
医師が「保険入りすぎ」になる理由
医師は保険営業担当者にとって理想の顧客だ。高収入・多忙・社会的信用があり断りにくい。研修医時代から先輩医師の紹介で保険を契約し続け、月10万円以上が保険料に消えているケースも珍しくない。
「節税になる」という言葉も刺さりやすいが、生命保険料控除の節税効果は最大4万円程度。それ以上払っているなら節税より損している。
医師が入りすぎる保険4つ
① 医療保険・入院保険
高額療養費制度により月の自己負担上限は8〜25万円程度。資産が300万円以上あれば医療保険は不要で、自己保険で対応できる。
② がん保険
がん治療費も高額療養費制度の対象。月4,000円×30年=144万円の保険料と実際の治療費を比較すると費用対効果は低い。
③ 貯蓄型保険(終身・養老)
実質利回りは0.2〜1%程度と非常に低い。同じ金額をNISA成長投資枠に回せば期待リターンは5〜7%になる。
④ 収入保障保険(勤務医の場合)
勤務医には傷病手当金(給与の2/3・最長1年6ヶ月)が公的制度として用意されており、収入保障保険を別途かける必要がない。
医師に本当に必要な保険
では、医師には何が必要か。答えはシンプルだ。
① 定期生命保険(葉巻型)
家族がいる医師に必要なのは「子どもの教育費+住宅ローン返済分」をカバーする定期保険のみ。月2,000〜3,000円程度で十分だ。
② 就業不能保険(自営医の場合)
開業医なら事業継続のため必要だが、勤務医は傷病手当金で対応できる。
③ 賠償責任保険
医師賠償責任保険は医療行為に付帯していることがほとんど。改めて契約する必要はない。
保険見直しのステップ
ステップ1:現在の保険をすべてリストアップ
保険証券を出して、以下を整理する:保険名・月額・残りの支払期間・返戻金・契約日。「見える化」するだけで無駄が浮かぶ。
ステップ2:不要な保険を解約
返戻金のある保険なら一度に解約せず、返戻率が100%を超えるまで待つのがコツ。焦らず段階的に進めよう。
ステップ3:浮いたお金をiDeCoとNISAに回す
月8万円の保険料が浮いたなら、まずiDeCo(月27,500円)→ NISA成長投資枠(月33万円の枠)の順で投資する。20年後、資産は大きく異なる。
よくある質問(FAQ)
Q1:医師でも医療保険は本当に不要ですか?
A:資産300万円以上あれば不要だ。医療保険の平均給付金は50〜100万円。自分の貯蓄でカバーできるなら、保険料を投資に回す方が生涯リターンは高い。
Q2:団体保険は入るべきですか?
A:職域団体保険は割安だが、上記の「医師が入りすぎる保険4つ」に該当するなら不要。割安でも不要な保険は保険だ。
Q3:見直し後の浮いたお金、どう使うべきですか?
A:① iDeCo(月27,500円上限)で節税 → ② NISA成長投資枠(年360万円)でインデックス投資 → ③ 余裕があればタクシー運転手向けの運転資金管理、の順番で投資することをお勧めする。
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他サイトが言わない「不要な保険」vs「必要な保険」の完全仕分け表
保険比較サイトの多くはアフィリエイト収入目的で「この保険もおすすめ」と保険を増やす方向に誘導します。医師として高額療養費制度を熟知している私が、本音で仕分けします。
| 保険の種類 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 掛け捨て生命保険(定期保険) | ✅ 必要(条件付き) | 扶養家族がいる間だけ。子が独立したら不要 |
| 就業不能保険 | ✅ 必要 | 医師でも病気・怪我で働けなくなるリスクがある。傷病手当金の上乗せとして有効 |
| 医療保険 | ❌ 不要(多くの場合) | 高額療養費制度で自己負担は月8〜10万円上限。貯蓄があれば自己負担で十分 |
| がん保険 | △ 要検討 | 先進医療特約(月数百円)だけは有効。入院給付金メインは不要 |
| 学資保険 | ❌ 不要 | 利回りが低い(0.1〜0.3%程度)。NISAで同額積立の方が圧倒的に有利 |
| 終身保険 | ❌ 不要 | 貯蓄性が低く保険料が高い。投資信託の方が長期リターンが高い |
| 個人年金保険 | ❌ 不要 | iDeCo・NISAがある今、個人年金保険の優位性はほぼない |
| 自動車保険(対人・対物) | ✅ 必要 | 確率は低いが損失が無限大になりうる。必ず加入すべき |
高額療養費制度を知れば医療保険はいらない
競合サイトが意図的に触れない重要な事実:日本の公的保険には高額療養費制度があり、月の医療費自己負担が一定額を超えると払い戻しを受けられます。
| 年収区分 | 月の自己負担上限額(目安) |
|---|---|
| 年収1,160万円以上 | 約25.2万円 |
| 年収770〜1,160万円 | 約17.7万円 |
| 年収370〜770万円 | 約8.0万円 |
| 年収370万円以下 | 約5.7万円 |
医師であれば年収770万円超がほとんど。月最大17〜25万円の自己負担が数ヶ月続いても、それを補填するための医療保険料(月1〜3万円×35年=420〜1,260万円)を払い続けるのは非合理的です。その保険料をNISAに回す方が資産形成上、圧倒的に有利です。


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